2012年2月29日

TBSドラマ日曜劇場「運命の人」。モデルとなった西山事件をとりまく様々な人間模様。

TBSドラマ日曜劇場「運命の人」
モデルとなった西山事件をとりまく様々な人間模様。
もうひとつの物語。

いよいよ判決がでましたね。弓成亮太には無罪。三木昭子には、執行猶予つきと言えど有罪判決がおりました。 これによって、三木昭子氏の気持ちに大きく変化が出てきそうな来週の予告でしたね。
以前、この「運命の人」は70年代におこった沖縄返還に関わる機密文章漏洩問題「西山事件」を元に描かれているとご紹介しましたが、 この事件にまつわる関連本は弓成記者こと、西山氏ご自身のものから他、多数出版されています。 今日は、その中のひとつ女性ジャーナリスト・澤地久枝氏による「密約」(岩波現代文庫)をご紹介します。
ドラマの中で、外務省漏洩事件を中心に週刊誌の記者、新聞社の記者、そして当時の新しいメディア「テレビ」そして、当時の政治関係者たちの間で、 「言論、および報道の自由」そして「正義」とは何かが描かれていますが、「密約」には、このテーマに加え、女性ゆえの葛藤が描かれています。 西山事件のもうひとりの主人公である“蓮見喜久子氏”の女性の視点からこの事件をみると、現在、ドラマ内で法廷で彼女が「哀れな女」を演じるほか手段がなかったという見方もできなくはありません。 年の離れた病気の夫を抱えての人生。外務省内でのキャリアを積みながらも、時代が女性の活躍を容認するわけもなく窮屈な毎日。 ふっとした瞬間に記者として優秀な西山記者に恋心を抱き、結果、彼のために密約書を持ち出すという大胆なことをしてしまった。しかし、そもそも彼女も熱き思いで、真実を追求する西山氏に惹かれた。 その原点に蓮見喜久子氏が立ち返れば「真実」が浮き彫りにされるはずであった。この「密約」の作者、澤地氏にはそんな想いがあったのではないかと思います。 澤地氏自身、中央公論社で優秀な編集者として活躍しますが、ある作家との恋愛事件が発端で会社を退社し、既婚者だった澤地氏はその愛に生きようとしますが、 恋愛もまた破綻し仕事も恋も家庭も失くしてしまうという経験をなさっています。そんな時に起こった「西山事件」。澤地氏は、蓮見氏にどこか自分の経験を重ねたのかもしれません。
今と違って、当時の社会は働く女性が生きやすい環境にはありません。政治的のみならず、ひとりの人間としての蓮見喜久子氏へ魂の問いかけをしたかったのではないでしょうか。 それを裏付けるように、澤地氏は、この事件当初(1971年)、法廷に通い蓮見氏に接見し、「真実」を話して欲しいということを何度も問いかけたと言われています。 澤地氏の「真実」を追求したい、そんな強い想いが天に通じたのか、この作品は1978年テレビ朝日開局20周年の記念番組として制作されました。 事件当時、週刊誌やワイドショーを賑わせた「西山事件」の真実ということで、話題になりました。そして10年後1988年には劇場公開となり、そして22年ぶりとなる2010年にリバイバル上映がなされました。 映画上映にともなって澤地氏はトークショーを行い、その場で本当に問われるのは誰なのか?ということを考えて欲しいと訴え、今後もこの密約に拘り続けると語ったと言われています。
こうした、動きの背景には2000年、2002年にアメリカで公文書が公開されたことにあります。この公文書公開により、 「西山事件」=沖縄返還における外務省機密文章漏洩事件の密約の存在を裏付ける記実が見つかりました。 これをきっかけに、「密約」の作者澤地氏も、「西山事件」の主人公である西山氏、この時に関わったすべてのメディア、および関係者たちが今、再び「真実」を求めて動きだしました。 一番、顕著な例は、2009年西山氏の妻が講談社「g2」で37年目の告白というタイトルでインタビューをうけています。またこのインタビューをもとに「ふたつの嘘」という本が出版されています。 今はまだ沈黙を守っている蓮見氏も、いつかは彼女の「真実」を語ってくれるかもしれません。「運命の人」は、この事件に関わるすべての人たちにとって、パンドラの箱となるのかもしれません。
みなさんはこの事件の真実をどう見ますか?

■ 密約-外務省機密漏洩事件 : 2010年4月10日公開 映画予告編
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=6h_ByyqEw2k[/youtube]


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