2012年1月25日

TBSドラマ日曜劇場「運命の人」放映始まりました。

TBSドラマ日曜劇場「運命の人」放映始まりました。
撮影セットインテリア担当の宮本氏へのインタビュー掲載。

今週で2回目の放送が終了した「運命の人」。さすが山崎豊子作品、見応えがありますね。 第一話の放送で本木雅弘さん・松たか子さん扮する弓枝夫婦の寝室シーンで、弊社の和紙繊維で仕上げたベッドカバー、みなさんの目に留ったでしょうか?
これからドラマのオンエアに合わせ数回に渡ってこの商品の魅力、またインテリアから見た、ドラマの新しい楽しみ方をご紹介していきます。

ドラマの時代設定70年代はちょうどいまの流行の基、 番組冒頭からドラマ全体の世界感に、ぐっと引き込まれてしまいました。 登場人物のファッションからちょっとした小物、家具から、カーテンに至るまで私たちをワクワクさせるものばかりでした。 そこで一回目の今日は「運命の人」撮影セットのインテリアを主に担当なさっている宮本氏に、このドラマでのこだわりを色々伺ってみました。

—— ドラマ内のコーディネートのこだわりは何でしたか?
「運命の人」の時代設定である70年代に固執してコーディネートしたわけではないんです。 撮影セットに飾られているものの多くが、今流通しているものです。
なので、大枠では「昔」を意識しすぎずにディテイルの部分で時間を表現するべきなのかなと思っていました。例えばそれは、ちょっとした壁紙に使用した生地だったりだと思います。

ドラマは1970年代の設定。今から40年ほど前。 “昔”なのに、古く感じなかったのは、このこだわりにあったのですね。古くて新しい、そんな70年代の再現です。

—— ドラマ内のこの世界感はどうやって生み出されたのか?
番組の立ち上げ当初から、ドラマの美術デザイナーとは、 日本の現代建築において重要な人物である坂倉準三氏の建築を強く意識していました。 彼は日本の伝統的技法や空間を“モダニズム”の視点で新訳をした人だと思います。
多くの坂倉氏の作品集を見かえしたのですが、その中でも、とても印象に残ったのが、 ある住宅の階段のおどり場の写真でした。階段に使われていた曲げ木の手摺に特に感銘を受けました。今の時代でも同じものが創れるのかなと、すごい技術です。
そのさりげなく使われている日本伝統工芸の技、日本建築の粋を集めたような住宅。伝統的なものと新しいものが混在する“モダン”を弓枝邸他、ドラマ内で表現できていればと思っています。 実は、あとで気付いたのですがこの写真の家は、松たかこさんの祖父様にあたる八代目松本幸四郎さんのご自宅だったんですよ。

ドラマが展開していく中で役者さんたちとともにその部屋もインテリアも、視覚的にメッセージしてくる印象がありました。 大作には魂が宿るとよく言われますが、とても不思議な縁を感じる「運命の人」というドラマにふさわしいエピソードでした。
弊社の和紙繊維も、坂倉準三氏の建築と同じく、日本の伝統を新しい視点から創り直したものです。1000年以上前から存在する和紙繊維。モダニズムの精神がなければ、 21世紀の今日にみなさまにお届けすることができなかったと思います。今回、数あるベッドリネン商品の中から弊社商品を選んで頂いたのはこの“モダニズム”があったからこそです。

伝統とモダン。こういう対比でもの言わぬ“インテリア”に着目をしながらドラマを読み解いていく。一度観た方も、見逃した方も、ちょっと違う視点で再度、 ドラマを見直してみるというのはいかがでしょうか?きっともううひとつの「運命の人」が見えてくると思います。
では次回も引き続き、宮本氏のインタビューをもとに楽しいお話を御届けします。
● 宮本太朗 :

映像美術界で活躍後、2010年よりインテリアプランナーとして独立。
全国の日本伝統工芸にフォーカスをあてたいと、 匠の技をモダンにつくりあげた伊勢丹新宿本店のオリジナルベッドなども手がけている。
・代表作:NHKドラマ「ハゲタカ」、「セカンドバージン」

※ 番組を見逃したという方は、こちらで再度見ることができます。
「運命の人」見逃し配信 :
[ http://tod.tbs.co.jp/item/2409/ ]


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