「和紙」の定義について
最近、さまざまなメーカーやブランドが
「和紙繊維(和紙糸)」を謳った製品を販売し、注目を集めています。
和紙繊維の存在を知る方が増え、認知度が向上するのは喜ばしいことですが、
和紙繊維の作り手である私たちが見ると、
一部には和紙繊維と称していいものか首を傾げたくなる製品もあります。
そもそも「和紙繊維」とは何か。そのもととなる「和紙」とは何か。
実は、和紙繊維にも和紙にも
公的に定められた基準や定義は、ありません。
基準や定義は、それぞれの技術や価値観によるものと言えるでしょう。
そこで、私たちが考える和紙の定義や独自開発の撚糸製法についてご紹介します。
単なる“紙”ではない、「和紙」へのこだわり。
単なる“撚糸”ではない、「独自製法」へのこだわり。
和紙繊維を見極める際の参考に、ぜひお役立てください。
キュアテックスが考える「和紙」の定義
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越前和紙のふるさと・福井。
和紙づくりの伝統息づくこの地で研鑽を重ね、
和紙に精通した職人たちが
和紙の特性を活かした繊維を作りたいと構想し、
10 年の歳月を費やして開発されたのが、
キュアテックスの和紙繊維〈キュアテックスヤーン〉です。
製品化するにあたり、キュアテックスは、
繊維のもととなる和紙の品質に徹底的にこだわり、
最上級の和紙を選りすぐって、
独自の繊維づくり専用の素材として採用しました。
日本では古くから
コウゾ、ミツマタなどを原料に、
手漉きで紙を作っていました。
──これが、和紙の原点。
現在、日常的に使われている一般的な紙は
和紙と区別して「洋紙」と呼ばれます。
洋紙は、主に針葉樹・広葉樹などの木材の
“幹”を砕いたパルプを原料としますが、
和紙は多年生植物の葉・茎の長繊維だけを使うのが特徴。
コウゾやミツマタなどの皮は繊維が長く、
絡み合う性質が強いため丈夫な紙となる。
それが和紙ならではの特性となっているのです。
洋紙が「木材パルプ(短繊維)を薬剤で固めて」作るのに対し、
和紙は「長繊維を絡めて」作る。
私たちは、これこそまさに「和紙の定義」だと考えています。
キュアテックスでは、
希少となってしまった国内のコウゾやミツマタの代わりに、
安定供給可能な東南アジアに自生する多年生植物「マニラ麻」の 葉鞘から抽出した繊維を原料として選択。
繊維を均一に漉くことができる機械抄造により
国内で製造された高品質なロール状和紙原反を仕入れ、
独自製法で和紙繊維〈キュアテックスヤーン〉を作っています。
和紙 100%の糸〈キュアテックスヤーン〉の独自製法
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※ 詳しい製造方法は下記をご参照ください。
- 和紙繊維ができるまで http://curetex.jp/service/washi/process/
- 独自の柔軟加工 http://cureclub.jp/html/page6.html